野菜に対するイヤな思い出による心理的な嫌悪感

大人になっても野菜が食べられない、苦手だという人の多くに、野菜に対するイヤな思い出や、エピソード、印象が残っていることがあります。

野菜嫌いのエピソード

「野菜を食べないと好きなものを食べてはダメと言われ、辛かった」
「給食が食べられない罰で叱られ、クラスメイトに笑われた」

野菜が嫌いで親に叱られた、学校で先生に罰を受けた…という思い出は、恥ずかしさや辛さ、苦しさと共に、心に深い傷跡となります。

人の記憶は時間の中で少しずつ変化していきますが、強烈な印象を残した記憶はなかなか薄れず、時間が経つことでより恐怖や辛さを増してしまうこともあります。また、記憶はその時に関係したものと一緒に残る性質があります。「野菜が食べられないことで叱られた」ことに関係する「野菜」や「給食」「学校」「先生」といった関連する物事にも、恐怖感や嫌悪感をもって記憶してしまう仕組みを持っています。

叱られたことや、罰を受けた辛さは、大人になっても心に残り、野菜そのものに対するイメージや、食事の楽しみ自体を奪ってしまう結果になってしまうのです。

食生活の変化と野菜嫌い

日本では高度経済成長期とともに、食生活の変化が起こり、この頃に国民的な偏食傾向が見られるようになりました。食生活の変化と共に成人病などの増加も見られ、当時の厚生省は1985年に「健康づくりのための食生活指針」を発表。「1日30品目を食べよう」という有名なスローガンはここで登場しました。

また、この健康意識の流れに沿って、子供の偏食を克服しなければならない、という意識も生まれ、家庭や教育の現場で、野菜を食べることを強要する」といった間違った行動を起こす人もいました。しかし、このような厳しい叱責や罰の多くは、かえって子どもの心から野菜を引き離し、より野菜嫌いにしてしまう結果となっています。

野菜嫌いを責めないで

誰にでも苦手なものがあり、どうしても食べられないものもあります。野菜嫌いを責めて叱ったり、脅して無理やり食べさせたり、厳しい罰を与えれば、ますます野菜から子どもの心は離れ、食事がつまらなく悲しいものなってしまいます。

嫌いな野菜を少しずつ食べられるように努力や工夫をしつつ、決して無理強いをせず、叱ったり罰したりはしないで、食事を楽しむ方法を見つけていきたいですね。

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